デザイン評価の新手法
デザイン・コンジョイント
商品デザイン、パッケージデザインの評価、開発、リニューアルに役立つ、デザイン評価の新手法をご紹介します。
商品パッケージなどのデザインを決める時、
例えば、ロゴを大きくした方がよいのか、
ロゴ
小さくした方がよいのか、
ロゴ
形は、位置は、色は、・・・

デザインを決めるポイントは無数にあります。
パッケージのデザインは、
商品名、ブランド名、キャッチコピー、商品説明文、イラスト、・・・
などで構成されています。

それぞれのデザイン、配置、カラー大きさをどうすれば、
魅力ある=売れるデザインになるのか、

デザイン・コンジョイントが、お答えします。
さらに、デザイン・コンジョイントは、
単にパッケージの好みを評価するだけではありません。

消費者は、パッケージのどこに注目して選ぶのか、
ロゴとコピーはマッチしているか明らかにします。
すべての評価を数値化し、明確な答えが得られます。
デザイン・コンジョイントは、
統計分析に乗っ取ったデザイン評価、単なるデザイン評価にとどまらない、
デザイン戦略の方向性を決める調査手法です。
■デザイン・コンジョイントの概要
デザイン・コンジョイントの仕組み
デザインコンジョイントは、全体デザインをパーツに分け、パーツをモンタージュのように合成してできる多数のデザイン案を回答者に提示し、好みのデザインを選ぶ回答から、デザインの嗜好、評価を明らかにします。
【様々なデザイン案】



調査準備・設定 ①デザイン案の用意
まず、全体デザインをパーツに分け、各パーツのデザイン案を用意します。パーツ、デザイン案の数はいくつでも結構です。

調査準備・設定 ②モンタージュ合成
各パーツを合成、すべての組み合わせのデザインを作ります。
パーツの組み合わせによって位置が異なる等、加工が必要な合成も対応可能です。
パーツの位置が同じ場合は自動合成できるので、より多数のデザイン案を作れます。

質問形式
パーツを属性にしたコンジョイント分析の質問を行います。
・質問形式はCBC(Choice Based Conjoint)。
・様々な組み合わせのデザイン案を提示し、回答者は好きなデザインを選ぶ質問を繰り返します。
※質問数は15~20問程度。パーツやデザインの数、サンプル数によって変わります。

アウトプット①パーツ・デザイン案の選好度
各パーツ・デザイン案の好まれ度が、コンジョイントの効用値として算出されます。
効用値は回答者の好みを示す指標です。
それぞれの属性(下図の例では形状、カラー、ロゴ、絵・コピー)の中で、0を基準としてプラスに大きいほど好まれ、マイナスほど好まれない。消費者のデザインの好みが明確に分析できます。

アウトプット②パーツの重要度
各パーツの、全体デザインの評価に対する影響力の強さが、重要度として100%比で示されます。

アウトプット③デザイン・ランキング
パーツを組み合わせた合計効用値から、全てのデザイン案を得点化、ランキングします。

アウトプット④パーツ・デザイン間の相性判定
デザイン・コンジョイントでは、パーツを組み合わせた場合の効用値を算出することができます。パーツ単体の効用値を単純に合算するのでなく、パーツ間の組み合わせによって生まれる相乗効果(相性)を計測します。好まれる組み合わせ、好まれない組み合わせを明らかにすることで、パーツ同士のベストな組み合わせを見極めることができます。

アウトプット⑤デザイン案シェア・シミュレーション
複数のデザイン案の中で、各デザイン案がどれだけシェアを獲得するか、シミュレーションできます。
パーツを変えた場合のシェア変化をみることができます。

アウトプット⑥デザインの相似度
回答サンプルごとのモデルの効用値を相関分析することで、デザインの類似性を評価します。

デザインコンジョイントの活用
コンジョイント分析は商品の購入に際して、商品のどの部分に魅かれて選択しているかを明らかにする、消費者の商品選択意識を解明する優れた分析手法です。コンジョイント分析の利点を生かしたデザイン・コンジョイントは、単にデザインの全体評価を捉えるだけでなく、デザインのどのパーツにどの程度魅かれて評価しているのか、各パーツが全体デザインの評価にどれだけ影響するのかまで明らかにします。デザイン評価を統計分析することで、その時限りにとどまらない、デザイン開発の方向性の策定にぜひご活用ください。
