すべてのサービスにマーケティングリサーチの光を。当社は市場調査の専門機関です。

■コンジョイント分析のアウトプット

効用値

●効用値とは

コンジョイント分析のアウトプットは効用値(utility)が基本になります。

効用値は商品・サービスの購入や選択における回答者(消費者)の選好度(選択する程度)を属性水準(機能や特徴などの商品・サービスの選択要素)ごとに数値化した値です。

 

効用値の見方

効用値は一つの属性内で0を基準点としてプラスに大きいほど選好度が高く、マイナスほど低くなる相対的な性格の数値です。同じ属性内の水準の効用値の合計は0となります。

 

下記のコピー機のコンジョイントの例でみると、属性1のメーカーではY社が最も選ばれ、次いでX社、Z社の順です。属性2のファーストコピータイムでは16秒→12秒→8秒と、速くなるほど効用値が高く、選ばれます。属性3の連続複写速度では同様に15枚/分→24枚/分→30枚/分と速くなるほど効用値が高くなりますが、水準間の効用値の差(効用値レンジ)をみると、15枚/分-24枚/分の間=1.4は24枚/分-30枚/分の間=0.6に比べて大きく、高速化による選好度アップの効果は15枚/分から24枚/分にする場合に大きい、15枚/分では選好度を大きく落とすということがわかります。

 

効用値の比較は同じ属性内の水準間で行えますが、属性をまたいで違う属性の水準間では直接比較できないので注意が必要です。違う属性を比較する場合は効用値レンジで比較します。例えば、「ファーストコピータイム16秒と連続複写速度15枚/分ではどちらが選ばれるか」ではなく「ファーストコピータイム16秒が12秒になる場合と、連続複写速度が15枚/分から24枚/分になる場合では、どちらがどれだけ選択に影響するか」という見方をします。効用値レンジはファーストコピータイム16秒-12秒=0.6、連続複写速度15枚/分-24枚/分=1.4で連続複写速度15枚/分-24枚/分の方が選択への影響が大きいとみることができ、「ファーストコピータイム12秒・連続複写速度15枚/分」のコピー機より「ファーストコピータイム16秒・連続複写速度24枚/分」のコピー機が選ばれると考えられます。

 


コピー機のコンジョイント(例)

■属性水準設定

 

 

■効用値

属性の重要度

重要度は各属性の影響力の強さを比率で表したものです。効用値を元にそれぞれの属性について属性内の水準の最大効用値と最小効用値の差を取り、そのレンジの大きさを属性合計100%の比率にしたもので、これを回答者ごとに算出して全体の平均をとります。

詳しい計算方法は下記のエクセルファイルをダウンロードしてご覧ください。

効用値から属性重要度の算出(SUMPLE)
importance.xlsx
Microsoft Excel 110.2 KB

●重要度の見方

コピー機のコンジョイントでは価格の重要度が36%で第一、次いで連続複写速度、ファーストコピータイム、メーカーと続き、複写防止機能が最も低くなっています。重要度は設定した水準の内容によって結果がまったく異なってきます。例えば価格の水準設定を5万円~15万円ではなく5万円~50万円にした場合、価格の効用値レンジは大きくなり、それに連動して重要度はもっと大きな比率になります。重要度をみる時は、あくまで設定した属性水準を前提とした重要度であることを念頭に考える必要があります。

 

重要度は回答者1人1人の算出してから全体の平均を求めて算出するため、図2の効用値のレンジを比率にしても、ダイレクトに図3の重要度の比率にはなりません。場合によっては効用値のレンジは他の属性に比べて小さいのに重要度は大きいという現象が起きることがあります。これは、選択時にはとても大きな影響のある重要な属性だが、人によって好みが分かれる場合に見られるます。例えば、製品の色が属性で青色と赤色の水準があり、色によって製品の選択をする人が多く、なおかつ青色を好む人と赤色を好む人が同数程度いるような場合です。回答者1人1人はどちらの色を選ぶにしても、色を重視するので重要度は高くなります。しかし青色と赤色は同程度選ばれるので全体での効用値レンジは小さくなります。

シェア・シミュレーション

コンジョイントでは効用値を元に仮想のプロダクト(製品・サービス)を作ってそのプロダクトがどれだけ選択されるか、どれだけシェアを取れるかシミュレーションすることができます。

仮想のプロダクトは属性水準を組み合わせることで作成でき、それぞれの水準の効用値を合計したものが仮想プロダクトの効用値となり、その合計効用値の大きさで仮想プロダクトの選ばれやすさの指標となります。

仮想プロダクトを複数作成し、回答者ごとのそれぞれの仮想プロダクトの合計効用値から、各プロダクトが選ばれる割合=シェアを算出します。

シェア・シミュレーションは水準の組み合わせを変えることで簡単に、様々行うことができます。

製品の機能を変えたシミュレーション、価格を変えたシミュレーション、競合他社の仕様変更シミュレーションなどが行えます。

下記の例ではX社(自社)、Y社(競合他社)、Z社(競合他社)の3製品のシェアシミュレーションを行っています。

 

●全ケース・シェア・シミュレーション

シェア・シミュレーションは従来はケースごとに、1つずつシミュレーションするものでしたが、プラスワンでは属性水準を組み合わせたすべてのケースを一括してシミュレーションすることが可能です。

これにより、自社のシェアや利益を最大にする製品組み合わせを見つけることが容易に行えます。

 

コピー機の3社の製品のシミュレーションの場合、他社の仕様変更を合わせると組み合わせの数は157,464通りありますが、すべてのシェアを一覧表で出力します。

下記のエクセルファイルをダウンロードしてご覧ください。

 

全ケース・シェア・シミュレーションのアウトプット例
[1社の製品の全組み合わせ数]ファーストコピータイム(3通り)×連続複写速度(3通り)×複写防止機能(2通り)×価格(3通り)=54通り [3社の製品の全組み合わせ数]54×54×54=157,464通り
Share simulation of all cases.xlsx
Microsoft Excel 18.8 MB

●中間水準のシェア・シミュレーション

シェア・シミュレーションは当初設定した属性水準値(ファーストコピータイムの場合、8秒、12秒、16秒)を用いることが基本ですが、9秒~11秒、13~15秒など中間の値でシミュレーションすることも可能です。中間値のシェアは水準間の効用値の単回帰で算出します。範囲外の値(17秒など)でも可能ですが、範囲内に比べて算出精度は下がるので、水準値を決める際はどのようなシミュレーションをするか想定して設定することが必要です。

中間値を含めたシェア・シミュレーション例は下記のエクセルファイルをダウンロードしてご覧ください。

シェア・シミュレーション
Share simulation.xlsx
Microsoft Excel 220.6 KB

商品、サービス、調査課題によって最適なコンジョイントの手法をご提案します。

コンジョイント分析の調査方法は商品特徴を組み合わせたカード式質問やコンジョイントプログラムACA(Adaptive Conjoint Analysis),CBC(Choice-Based Conjoin)などの方法があります。

カード式、ACA、CBCなど商品、サービスによって最適なコンジョイントの手法をご提案します。

コンジョイント調査ご案内.pdf
PDFファイル 680.4 KB

お気軽にお問い合わせください。

マーケティングリサーチをお考えなら【プラスワンリサーチ】にご相談ください。 調査の検討、思案の段階で結構です。検討の結果、見送りとなっても結構です。依頼者様の調査目的の達成、調査課題の解決に向けて、最適な調査アプローチ方法をご提案致します。

アンケートの企画・設計、調査票作成、フィールドワーク、リクルートデータ入力、集計、分析、報告書作成まですべての段階でお手伝い致します。  どうぞお気軽にお問合せください。

 

お店の顧客満足度アンケート開設キャンペーン実施中

ただ今、お店の顧客満足度アンケートキャンペーン実施中です。ぜひご利用ください!

What's New

展示会やセミナーでタブレットやノートPCを使ったアンケート調査や、調査員が直接聞き取りを行うインタビュー調査など多数実施しています。これからの展示会シーズンに向けて、マーケティング調査の一環として、お気軽にご相談ください。

個人情報の取扱いについて

当社の個人情報保護についての詳細はこちらからご確認ください。